【脱カメラ初心者!】絞り・シャッタースピード・ISOを理解しよう!
一眼レフ、ミラーレス一眼で写真を撮っても理想通りに上手くいかないと思っている方は多いですよね。特にカメラを買ったばかりの頃は苦労すると思います。私もその一人です。
写真撮影では刻々と変化する撮影環境、時間帯においてもカメラの設定を細かく変えていかないといけません。日中での撮影や夜での撮影を比較すると撮影設定は全く異なってきます。
今回は初心者でも様々な撮影環境でも対応できるように写真の仕組み、撮影設定について記しています。
写真の仕組み
スマートフォンや一眼レフ、ミラーレス一眼でオートモード撮影していると分からないですが写真の仕上がりは以下の要素から決まります。
写真を制する者は絞り・シャッタースピード・ISO感度の3大要素について知っている必要があります。それでは要素を一つ一つ説明していきたいと思います。
絞り
カメラのレンズの中には絞り羽根というものがあります。この絞り羽根によって写真に取り込む光の量を調整します。
絞りはF〇(○の中には数値が入ります)という風に表示されることが多いです。数値が小さいほど(解放するほど)光を多く取り込むことが出来ます。逆に数値が大きいほど(絞るほど)取り込む光の量は少なくなります。
写真の明るさの違い
二つの写真を見比べると絞りが開放の写真(fの値が小さい写真)の方が明るくなっています。取り込める光の量は絞りによって変化することが分かるかと思います。
また、数値の大きさによってボケる量も変わってきます。数値が小さければよりボケやすく、数値が大きければ全体的にピントが合った状態になります。
ボケ感の違い
どちらの写真も目にピントを合わせて撮っています。
背景によりボケ感がある方は絞りが開放に向かっています。このボケ感は被写界深度によって決まります。
被写界深度
被写界深度(ひしゃかいしんど)とは、写真の焦点が合っているように見える被写体側の距離の範囲のこと。
先ほどの写真の例でいうと…
目だけがくっきり写っており背景がボケていることから被写界深度は浅いと言えます。
またこの写真の場合は目から背景にかけてピントが合っていることから被写界深度が深いと言えます。
それでは被写界深度はどのように決まるのでしょうか。被写界深度は以下のような要素から決まります。
上の説明だけを見ると広角側ではボケにくい認識をしてしまうかもしれませんが決してそんなことはありません。レンズの焦点距離が短くてもボケの量を増やすことが出来ます。
同じような画角での撮影
二つの写真はそれぞれ広角側、望遠側の焦点距離で撮った写真です。二つの写真を見比べてもボケ感は遜色がないように見えます。
広角レンズでも取り方次第ではちゃんとぼかすことが出来るのです。
シャッタースピード
シャッタースピードはどれくらい速くシャッターを切るかを決めるものです。シャッタースピードによって光を取り込む時間を設定するためシーン別での設定は必要不可欠です。
以下の写真例は同じ場所で撮ったものです。
シャッタースピードによる違い
サンプル写真を用意しました。
写真の観覧車に注目してみるとシャッタースピードが遅い方が速いほうよりも軌跡が残っているように見えます。観覧車の動きを取り入れたい場合にはシャッタースピードを遅くしますが、動きが必要ない場合はシャッタースピードは速い方が良いです。
また、動くものを撮る場合にはシャッタスピードを速くすることが多いです。逆に光が足りない場合や夜景を取る場合はシャッタースピードを遅くすることが多いです。上記の写真以外にも例を紹介します。
シャッタースピードが速い場合
シャッタースピードが速ければぶれにくく、物体が止まったような写真を撮ることができます。(余り参考にならない写真ですみません(汗))
シャッタースピードが遅い場合
シャッターを30秒ほど開いて撮った写真です。シャッターを開いている間は光を取り込み続けるますので30秒間の車の動きが光が軌跡となって残っています。
長時間シャッターを開くほど写真はぶれやすくなります。ですので、このように長時間シャッターを開く写真を撮るのであれば三脚は間違いなく必要となります。
ISO感度
iso感度はデジタルカメラが光をとらえる能力を示すものです。iso感度が上がるほど写真は明るくなりますがノイズというものが増え、写真がザラザラとした質感になります。iso感度は写真の質に関わりますので取り扱いには注意しなければなりません。
写真例
神奈川県のみなとみらいを撮影したときの写真です。iso感度は3200となっており少々高めの数値となっています。
iso感度が高いため質感がザラザラになっています。夜景など日中に撮影するときよりも遙かに光量が少ないためより多くの光を必要とします。その解決策としてiso感度を上げることがありますが高くしすぎると写真の質感に影響します。
撮影環境に合わせた設定
先ほどの章では写真の三大要素『絞り・シャッタースピード・iso感度』について触れてきました。この章では実際に撮影するにあたってシーン別の撮影設定について触れていこうと思います。
風景写真
日中における風景写真の撮影はそこまで難しいものではありません。日中であれば光量は多いですからシャッタースピードは十分に稼ぐことが出来ます。
そこで私は日中の風景撮影ではAモード(絞り優先モード)をオススメしたいです。
絞り優先モードとは
iso感度の上限は撮影者自身で決めることが出来るので写真の質も安定して撮りやすいモードです。
風景写真だけで無くポートレート写真でもよく用いられます。
絞りはF5.6~F8にしよう!
レンズというものは中心点で撮影されたところが最も綺麗に写るとされています。絞りをある程度絞ることで光の通り道をレンズの中心点へ誘導し、一段シャープかつ綺麗な風景写真を撮ることが出来るのです。
夜景写真
夜景写真で手持ち撮影をすると手ぶれをすることが多いですよね。理由としては以下のことが考えられます。
- 光量が少ない
- 設定が"プログラムオート"のまま
夜景撮影では時間帯の関係でどうしても光量が少なくなってしまいます。
光量が少なければ絞りを最大限に解放したとしても取り込める光の量は限られてきます。
シャッタースピードを設定しないAモードやプログラムオートのまま夜景撮影を行うと適正露出に合わせるために多く光を取り入れないといけないのでシャッターを遅く切ることになります。そのため写真がブレてしまうのです。
写真の質感を保つためにはiso感度を出来る限り上げずに撮影するのがいいのですがこの場合はどのようにすればいいのでしょうか。そんなときはMモード(マニュアルモード)を使いましょう。
マニュアルモードとは
私が夜景を撮るときにはできる限りiso感度を上げないようにしています。そのため写真を明るくするためにはシャッタースピードを遅くする or 絞りを開放するしかありません。
できる限りiso感度を上げずに撮影した写真です。この場合は絞りをある程度絞り、露光時間を長くすることで車が走った軌跡をとらえることができます。
三脚を用意すべし!
長時間シャッターを開いているとどうしても手ぶれが起きてしまいます。そこで三脚にカメラを固定することで手ぶれを防ぐことが出来ます。
また、シャッターを切る際にボタンに触れた衝撃でブレが起きてしまう可能性がありますので"セルフタイマー"を使って写真のブレを防ぐことも大切です。
※三脚を使っての長時間露光撮影では手ぶれ補正が付いている場合は手ぶれ補正を切るようにしてください。ブレの原因になります。
まとめ
最後にもう一度振り返ります。
写真を明るくなるのは…
- 絞りが解放に向かうほど
- シャッタースピードが速遅くなるほど
- ISO感度が高くなるほど
写真を暗くなるのは…
- 絞りが締まるほど
- シャッタースピード速くなるほど
- ISO感度が低くなるほど
またそれぞれの変化による影響は…
- 絞りが締まるとボケにくく、解放になるとボケやすい。
- シャッタースピードは速くなるとぶれにくく、遅くなるとぶれやすい。
- ISO感度は高くなるほどノイズが増える。
いかがでしたでしょうか。この記事が参考になれば幸いです。
ハッピーカメラライフ!